介護の取り組み

学習療法®

認知症に対する理解と適正なケアの推進を図るために特別養護老人ホームライフケア黒森において、平成17年5月より「学習療法」を開始しました。現在では、法人全体で約100名を対象に毎週月曜日から金曜日の毎日一人あたり20分程度の学習を実施しております。

学習の積み重ねから、ご利用者の認知症の緩和や予防にも顕著な効果があることが明らかになりました。学習療法センターからも6ヶ月毎の検査数値(MMSE・FAB検査)を分析して頂き、認知症緩和・予防の効果が認められております。分析した数値と共に学習 の様子や日常生活の変化などをご家族にお知らせしています。

写真は、「読み・書き・計算」を中心とする教材を用い、学習者とスタッフがコミュニケーションをとりながら、楽しく学習を行っている様子です。

学習療法®とは?(学習療法の定義)

音読と計算を中心とする教材を用いた学習を、学習者と支援者が行うことで、学習者の認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能などの前頭前野機能の維持・改善を図るものです。

【参考】学習療法センター

タクティール®ケア

ご利用者サービスの推進の一環として、平成17年8月より「タクティールケア」を開始しました。

一人あたり週に2~3回程度の実施をしております。タクティールケアを通してご利用者とコミュニケーションを図りながら、穏やかな時間をともに過ごしています。

実施により、不安な表情をされていたご利用者の表情が穏やかになったり、手の緊張がやわらいだりとさまざまな変化がみられています。

マッサージを通してふれ合いながら、ご利用者とともにゆったりとした時間を過ごしています。

タクティール®ケアとは?

緩和ケアにおけるスウェーデン独特の療法です。

手・足あるいは全身に対し、痛点を刺激することなく手全体でやさしく触れ、マッサージを行うことで、興奮状態や不安感、痛みなどを緩和するメソッドです。

【参考】日本スウェーデン福祉研究所

スウェーデン式個別排泄ケア

個別排泄ケアを推進していくにあたり、

「ご利用者の尊厳を守り、安全で快適な生活を提供する」

というTENA (テーナ) の理念と、生活に視点を置いた「個別排泄ケア」をめざしていた法人の考えが合致したことから、平成15年6月にTENAのスウェーデン式個別排泄ケアを導入し、取り組みを行っています。

多職種とTENAアドバイザーより構成される「排泄チーム」を設置し、毎月行われる排泄チーム会議では、オムツ外しや排便サポート、スキントラブルの改善等について検討しています。

ご利用者の思いを大切に、尊厳や羞恥心に配慮しながら、より快適に自分らしく過ごしていただけるよう、様々な視点からアプローチしています。

また、「正しく・素早く・丁寧に」オムツをあてられるよう介護にかかわる職員の技術向上を目指したTENAマイスター資格取得研修を実施しています。

※ 個別排泄ケアは特別養護老人ホームライフケア黒森、小規模特別養護老人ホームライフケア黒森で実施しています。

スウェーデン式個別排泄ケアの利点

利用される方についてのメリット

  • おむつ交換回数が減ることで利用者の肉体的・精神的負担が軽減されます。
  • 一晩の排尿量に合わせたTENAコンフォートを利用し朝までぐっすり入眠できます。

看介護者にとってのメリット

  • おむつ交換時間が大幅に短縮。
    生み出した時間を他のケアに費やすことができます。
  • 「個別」を意識することで排泄ケアでなく、ケア全体の向上につながります。

経済的なメリット

  • パットの使用枚数の減少。おむつ交換労働の減少につながり排泄ケアのトータルコストが軽減されます。

【参考】ユニチャームメンリッケ

口腔ケア

ご利用者の口腔内の清潔や口腔機能の維持を図るため、協力歯科医院より往診いただき、施設職員の歯科衛生士が連携を図ることで、ご利用者の口腔に関する健康管理を行っています。

歯科医師より助言をいただき、歯科衛生士が介護職員へ口腔に関する指導を行うことで、口腔ケアや口腔機能に対する意識が高まりました。正しい口腔ケアで誤嚥性肺炎を予防し、口腔体操で口腔機能の維持に繋げ、お食事や会話をいつまでも楽しんでいただけるよう取り組みを行っています。

※ 歯科衛生士による口腔ケアは特別養護老人ホームライフケア黒森と小規模特別養護老人ホームライフケア黒森で実施しています。

< 口腔衛生管理 >

食事に関する口腔機能維持

< 口腔ケア >

◎ 口腔内の清掃
  歯磨き・義歯清掃
  拭き取り・保温

◎ 口腔機能訓練
  口腔マッサージ
  嚥下体操

機能訓練・ポジショニング・シーティング

社会福祉法人正覚会の取り組み(機能訓練)

ご利用者が自立した日常生活を援助するため、機能訓練、ポジショニング、シーティングを実施しております。ポジショニングとシーティングは、一人ひとりの状態にあわせて車いすやクッション等を選択して使用してもらうことです。そのことによって、生活環境が整えられ、快適な生活に繋げる効果があります。

< 個別機能訓練 >

身体機能の維持向上を目指し、ご利用者一人ひとりの身体状況に合った運動メニューを実施しています。継続することで、食事やトイレなどの日常生活動作 (ADL) 、料理や洗濯などの家事動作 (IADL) 、趣味や社会参加などの生活の質向上が期待できます。

< ポジショニング >

ベッド臥床時に、クッションなどを活用してベッドとの接触面積を増やすことで、体圧分散が可能となります。筋肉の緊張や痛みを和らげ、関節拘縮を予防することができます。

< シーティング >

身体機能や生活状況に合わせて椅子や車椅子を調整し、良好な座位姿勢が取れるようサポートします。楽な姿勢を保つことで、食事中の誤嚥予防に繋げることができます。

※ 個別機能訓練は全事業所で実施しています。
※ ポジショニングとシーティングは特別養護老人ホームライフケア黒森と小規模特別養護老人ホームライフケア黒森で実施しています。