息子さんが仕事を続けながらも、できる限り自宅で母親の介護をしていきたいと希望されている方のケース

住み慣れた自宅での生活を続けながら介護サービスを利用したい

高齢で認知症の母と息子さん2人暮らしで、息子さんは仕事を続けながらもできる限り自宅で母親の介護をしていきたいと希望されている方のケースです。

母親と二人暮らしの息子さんが、認知症になってしまい徐々に生活の様々な面で介護が必要になってきた母を、できる限り自分で面倒を見ていきたいが、自分も仕事がある為に日中ずっと付きっきりでいることはできないことから、介護保険のサービスを利用しながらどうにか母に住み慣れた自宅での生活を続けさせてあげたいといった要望の内容を、自宅から近くにある、当事業所へ相談のお電話をくださいました。

その後の対応と経緯についてです。

ご家族が当施設をインターネットで検索し問い合わせ

認知症を患っている母親と息子さんとの二人暮らしのケースです。

3年程前から母親に物忘れの症状が見られるようになり、病院を受診した結果アルツハイマー型認知症との診断を受けました。

診断を受けた当初はまだ症状も軽く、身の回りのことやある程度の家事もできており、息子さんが仕事で不在であっても自宅で一人で過ごしていることができていましたが、徐々に症状が進行するに伴って、買い物に行った際の支払いができなくなったり、行き慣れたスーパーへ行く際に迷子になってしまったり、火にかけた鍋を忘れて焦がしてしまったりといったことが見られるようになり、息子さんが仕事で不在となる日中に一人で自宅においておくことに不安が出てくるようになりました。

更に症状は進行して自宅付近を徘徊するようになり、ある日曜日、ちょっと息子さんが目を離した隙に母が一人で外出してしまい、外で転倒して右手を骨折し顎を5針も縫う大けがをしてしまうといった出来事がありました。

そのことをきっかけに自分一人の介護では限界を感じた息子さんが、「認知症の母親のことはできる限り住み慣れた自宅で、自分と一緒に暮らさせてあげたい。しかし自分も日中は仕事があることから介護はできない状態であり、何かしらの介護保険サービスの利用が必要と考えるが、介護保険の利用は初めてでどんなサービスがあるかもわからないし、どうやって利用すればいいのかもよくわからないので、どうしたらいいものだろうか…どこか近くに相談にのってもらえる窓口はないものだろうか?」と思いインターネットで検索してみたところ、自宅から近いところに介護施設があることを知り、介護相談を受け付けているケアマネジャーの事務所があるとのことで相談したいと電話をくださいました。

当事業所は365日24時間の電話による相談受付体制をとっていることから、その日は日曜日ではありましたが、電話にて初回の相談を受け付け概要を伺い、介護保険についての詳しい説明や具体的な相談を翌日の月曜日に自宅へ訪問して、直接お話しを伺うこととなりました。

息子さんの、母親の介護が必要な状態になってもできる限り住み慣れた自宅で暮らさせてあげたいという思いと、息子さん自身も安心して仕事を続けたいという要望から、母親と息子さんの両方が安心してご自宅での生活が続けられるように、また日中は仕事をしている息子さんの介護負担が少しでも軽減されるようにといった観点で、通い宿泊の介護保険サービスを調整した結果、初回の相談の日から2年以上経過した現在も息子さんは仕事を続けながら母親とお二人でご自宅での生活を続けられておられます。

担当者より

認知症を患った母親をできる限り住み慣れたご自宅で生活をさせてあげたいという息子さんの思いと、その反面、現実的には息子さんも仕事を抱えており、日中の介護は困難な状況にあることから、まずはお母さんが日中に適切な介護を受けながら安全に暮らせるようにサービス調整をすることで、息子さんも安心して仕事が続けられるようにという点と、負担なく仕事と介護の両立ができるようにと言う点に配慮して相談に応じたケースでした。

当事業所は365日24時間の相談体制を整えており、このケースに関しての初回の相談も日曜の電話による相談でありましたが、息子さんからお電話をいただくことができ良かったと思います。地域に根差した身近な介護の相談窓口をモットーに対応させて頂いておりますので、困ったことや悩み事がありましたら些細なことでもお気軽にお電話をください。(担当:ケアマネジャー)