体操への取り組みと仲間作り

グループホームでは昨年11月より「リハビリ体操」と、口腔体操として「パタカラ体操」を実施しています。

  1. 身体機能の低下はうつ傾向や認知機能の低下なども引き起こすといわれ、そこから認知症そのものの進行も引き起こす為、身体と心の両方に働きかけることで機能低下を防ぐことができます。
  2. 認知症の方は身体で覚えたことや生活に習慣づけられたものは忘れづらいと考えられる為、生活の楽しみとして体操が習慣になるよう実施しています。
  3. 職員とご利用者全員と一緒に体操することで、ご利用者間の仲間意識の構築や精神面での安定を図っています。

リハビリ体操

リハビリ体操は、1日2回午前中のお茶の時間と15時のおやつ前に居間(共有スペース)に集まり、ご利用者同士の顔が見えるよう輪になり音楽に合わせて体操をします。体操前には職員が日付・曜日をご利用者と一緒に確認し天気や季節の話をして、現在の場所や時間を認識することで認知症による見当識障害を解消し不安のないようにすすめていきます。

リハビリ体操の様子

パタカラ体操

口腔体操は1日3回毎食前に居間(共有スペース)に集まり「パタカラ体操」を行っています。「パ・タ・カ・ラ」のラミネート盤を使用し口腔体操の目的やポイントを職員が説明しながら体操をします。

パタカラ体操とは

「パタカラ体操」は発声しながら口を動かす、「口の体操」のことです。
「パ」「タ」「カ」「ラ」の4文字を発声するため、「パタカラ体操」と呼ばれます。
高齢になると、口の筋肉や舌の動きが弱まるため、嚥下機能(飲み込む力)が低下し、食べ物を誤嚥してしまうことがあります。「誤嚥性肺炎」は、誤嚥により食べ物が気管に入り、肺が炎症を起こすことが原因で起こります。
そこで、「パタカラ体操」を取り入れることにより、口や舌の動きが鍛えられます。食べ物を上手く飲み込めるようになれば、誤嚥性肺炎を防ぐこともできます。

食事前に実施すると効果的であり、以下のような効果もあります。

  1. 咀嚼(噛む)、嚥下(飲み込む)機能が維持、向上する
  2. 唾液の分泌が促進される(ドライマウスの防止)
  3. いびきや歯ぎしりが改善される
  4. 発音がはっきりし、口が動きやすくなる
  5. 入れ歯が安定する
  6. 口呼吸から鼻呼吸になり、口臭が改善される
  7. 小顔効果や顔のたるみなどのアンチエイジングにもなる

パタカラ体操の様子

仲間作り

認知症を患っている方は、比較的に他者とのトラブルが多いと言われております。そこで、当グループホームでは、リハビリ体操や口腔体操を通じて、ご利用者の交流や仲間作りの構築にも繋がるよう実施しています。

<ポイントとして>

  • 体操実施時は、職員も同じ目線で一緒に輪になって一体感を作り出す。
  • ご利用者一人ひとりが主人公となるようなコミュニケーションを図る。
  • ご利用者同士が触れ合える機会を作り出す。
  • 日常生活の中での感謝を伝える場として活用し、互いに認め合える関係性を作り出す。
  • ご利用者の新たな情報を引き出す場面とする。

現在、新型コロナウイルスの影響にて外出の機会や他者と交流する機会が減っていますが、体操を通じて身体を継続的に動かし、メリハリのある一日を過ごしています。ご利用者同士が輪になりコミュニケーションを通して、イキイキとした生活ができています。認知症であっても馴染みの習慣や馴染みのご利用者、職員と一緒に過ごしながら、今後もご利用者が心地よい生活が送れるよう支援していきたいと思います。