近所の方が痩せてきたようだと担当地区の民生委員からのご相談
認知症が疑われる方を、早期に適切な専門医に繋げることができたケース
要介護者
80代 女性 20代の孫と二人暮らし
これまで身の回りのことは自分でできていて、サロンにも楽しく参加されていたが、最近になって物忘れがでてきて、食事もきちんと摂らなくなり体重も減ってきてしまったとのこと。担当地区の民生委員が心配し、当地域包括支援センターに相談の電話がありました。
認知症初期集中支援事業を紹介
地域包括支援センターでは、早速現状把握のため、ご本人宅を訪問しました。
認知症状があり少し前の記憶もあいまいで、食事も摂ったか摂らないか忘れて日常生活に支障をきたしている状況でした。また、かかりつけ医がなく、医療にもつながっていませんでした。
そこで、酒田市で実施している認知症初期集中支援事業(認知症が疑われる人やその家族に対して、初期の支援を包括的・集中的に行ない、自立生活のサポートをする)に紹介し繋げました。
また、同居しているお孫さんは自分のことで精一杯で、おばあちゃんの介護までは手が回らないため、他の家族や親戚等のサポートが必要と判断し、担当地区の民生委員より聞き取り、疎遠になっているとのことですが、市内にご長男がいるとの情報をもらいました。
地域包括支援センターでは、市内に住むご長男と連絡を取り、今のお母さまの現状を説明してサポートが必要なことをお伝えし、協力してもらえることになりました。
その結果、認知症初期集中支援事業に繋げたことで、専門医の受診にもつながり、アルツハイマー型認知症の初期と診断され、内服薬を処方されました。
疎遠だった長男さんも現在は定期的に訪問され、お薬や食事の管理をしてくれたことで体重も少しずつ元に戻り、サロンにも楽しく通われています。
ご長男からは「今までは母親に会いに行くことが億劫で足が遠のいていたが、地域包括支援センターから連絡をもらってからは、母親のところに訪問するきっかけを作ってもらい、気兼ねなく行けるようになり良かった」と嬉しいお言葉をいただけました。また、認知症の初期のうちにお薬を出してもらい内服することで、症状の悪化を防ぐことができ良かったとお話がありました。
認知症は初期の対応が大事です。ご家族で気になる症状がみられましたら、お住まいの地域の『地域包括支援センター』にご相談ください。