同居の父がデイサービス利用を拒否してしまって…と長男様からのご相談

連携によりサービス利用に繋げ、以前のような日常生活を取り戻すことができたケース

要介護者

80代 男性

要介護者のご長男が、地域包括支援センターに来所され「同居している父にデイサービスを利用してもらいたいが、本人に拒否されている」

というご相談を受けました。

家に閉じこもりがちになったお父様が心配…デイサービスに行って、人と関わりを持ってほしい

地域包括支援センターでは、早速次の日にご本人の自宅を訪問し、面談をしました。

脳梗塞で入院されたそうですが、麻痺もなく入院前と同じ状態まで回復され、退院した直後でした。

近所には友達もなく、出かける場所もないので普段は家に閉じこもりがちになり、ボーとして過ごすことが多くなったそうです。今の生活状況ですと、ますます足腰が弱くなっていく心配がありました。

ご長男は「デイサービスに行って、友達とおしゃべりしたり体操をしたりして楽しく過ごしてほしい」と、お父様にデイサービスのお話をしましたが、もともと頑固な性格もありご長男や家族の言うことは聞く耳を持たないような状況でした。

このままでは、認知症の発症や体力の低下等が心配されましたので、地域包括支援センター内の職員間で話し合いをして、外出の機会を持つことが必要と判断し、どうすればデイサービス利用につながるかを検討し、ご長男と地域包括支援センターがそれぞれの役割を持って問題解決にあたることとしました。

家族、福祉、医療との連携

地域包括支援センターとしての役割は、医療との連携を図ることでした。

お父様は主治医との信頼関係があり、主治医の言うことは話を聞いてくれるだろうとの情報をご家族からもらいました。そこで、ご長男から了解をもらって主治医に連絡をとり、主治医から「このままでは足腰がますます弱くなってしまうので、デイサービスを利用したほうがいい」ということをお話してもらいました。

また、ご長男の役割としては、お父様が信頼している市内に嫁いだご長女に連絡を取ってもらい、ご長女からデイサービス利用について説得してもらうことにしました。

市内に嫁いだご長女から、お父様にデイサービス利用を勧めてもらったことや、地域包括支援センターは主治医と連携を図り、主治医からもデイサービス利用についてのメリットをお話してもらったこと、近所の友達から誘われたこともあり、やっとご本人も「利用してみようか」と思うようになり、デイサービス利用につなげることができました。

もともと社交的だったこともあり、周りの方たちとも打ち解けて楽しくおしゃべりするようになられました。週に1回デイサービスに通うことで日常生活にメリハリがついて、自宅では自家野菜の栽培管理も意欲的に再開するようになりました。

ご長男からは「以前のような父に戻って良かった」と嬉しいお言葉をいただきました。

上記のケースにもあるように、福祉サービスを適切に活用いただき、介護を必要とするご本人、そしてご家族にも健康で穏やかな日々を過ごしていただきたいと思います。