【ライフケア黒森】タクティールマッサージで「触れる」心と身体のケア
ライフケア黒森では、痛みの軽減やコミュニケーションによる安心感に繋がる「タクティールマッサージ」を実施しています。
一般の方にとっては聞き馴れない言葉のマッサージ方法ではございませんか?タクティールとは「触れる」を意味する言葉で、ラテン語の「タクティリス(Taktilis)」に由来しています。「触れることがケアに繋がる」という考えのもと、看護や介護の現場で活用されるケアメソッドなのです。
【参考】日本スウェーデン福祉研究所
タクティールマッサージってどんなもの?
タクティールマッサージとは、痛点を刺激せずに手全体でやさしく触れ、マッサージを行うことで、興奮状態や不安感、痛みを緩和させるケアです。マッサージを行った後のご利用者様は、表情が穏やかになったり、手の緊張がやわらいだり、さまざまな変化がみられています。
タクティールマッサージの発祥
スウェーデンの看護師により未熟児のケアとして行われていいたもので、保育器で育つ未熟児へ、母に代わって看護師が毎日、優しく包み込むように触れ、人の温もりや肌の感触を伝えていました。その結果、体温が上がったり、体重が増えるなどの良い影響があったのです。
介護におけるタクティールマッサージの影響
看護の現場や介護の現場でタクティールマッサージなどの「触れる」ケアが活用されています。
痛みの軽減
介護の現場においても、「身体の痛みが軽減された」などご利用者様より喜んで頂くことがあります。
当施設では、寝たきりのご利用者様を中心にタクティールマッサージを行っているため、明確な反応を頂くことは稀ですが、それでも、ご利用者様の表情が穏やかになったりと、小さな変化にもその効果をうかがえます。
「安心感は痛みよりも先に脳に認識される」と言われております。昔から、小さい子供がけがをした時によく言い聞かせる「痛いの痛いの飛んでいけ~」というおまじないに通じるものがあるのではないでしょうか。
マンツーマンのコミュニケーションによる認知症ケア
人と人が触れ合うこと(スキンシップ)は、最も初歩的で、最も大切なコミュニケーションです。認知症のケアにおいても、タクティールマッサージにより得られる効果が大きいと実感しています。1対1で、優しく触れることにより、ご利用者様が他者(職員)と、自分の身体を認知することにも繋がります。
ライフケア黒森での実施内容
ライフケア黒森では、研修を受けたスタッフがチームを編成し実施しています。
現在はご利用者5名を対象に、一人あたり週に2~3回、1回の施術は10分程度です。
オルゴール曲などのゆったりした音楽を流しながら、足や手など施術場所を一箇所決め、専用オイル(オーガニックオリーブオイル)をなじませながら、包み込むように触れていきます。
スタッフにとっても癒しの時間に
実施している職員にとっても、タクティールマッサージを行っている時間は、1人1人のご利用者様と向き合う大切な時間です。ご利用者様に触れている間、職員自身も安心し、より穏やかな気持ちになれます。
だからこそ、タクティールマッサージについて沢山の方に知って頂き、ご家族の方にも是非、ご利用者様とのコミュニケーションとして生活の中に取り入れて頂ければと願っています。
今後の展望
現在は、研修により得た手順に沿って、研修を受けた職員だけで実施している取り組みですが、今後はもっと頻繁に実施したいと考えております。ゆくゆくは、場所や時間、人員に制限なく、より多くの職員が、沢山のご利用者様へ「タクティールマッサージ」を気軽に実施できるように取り組みを続けて参ります。
本来は気軽に行えるケア方法がスキンシップです。タクティールマッサージなどのスキンシップが、日常の一コマになっていけば良いなと思います。