職員の学びが支える“脳と心”の変化 ~ 職員研修の様子と学習療法による変化をご紹介 ~

当法人では学習療法への理解を深め、職員一人ひとりの専門性を高めることを目的として、法人全体で学習療法の研修に取り組んでいます。

学習療法は、ご利用者が「できること」を再発見し、自信や意欲を取り戻すための大切なアプローチです。私たちは、その効果を最大限に引き出すため、日々の実践と学びを積み重ねています。

今回は、職員向けに実施した学習療法研修会の様子と学習療法を受けているご利用者の様子や変化をご紹介します。

学びの現場:初級・中級それぞれのステップ

学習療法の効果をより確かなものにするためには、職員が共通の理解を持ち、段階的にスキルを身につけていくことが大切です。学習療法の理念や基本姿勢をしっかりと身につけたうえで、実践力を高めていけるよう、研修を初級・中級のステップに分けて取り組んでいます。

初級研修:心の交流を第一に

学習療法の基本的な考え方や進め方に加え、ご利用者とのコミュニケーションの重要性について学びました。相手の気持ちに寄り添い、安心して取り組める環境をつくることが、学習療法の第一歩です。職員は、声のかけ方や表情、距離感など、細やかな配慮を意識しながら実践力を磨いています。

中級研修:分析力を磨き「個別ケア」へ

日々の記録やご利用者の反応から小さな変化を読み取り、個別ケアへとつなげるための分析力を養いました。学習の進み具合だけでなく、表情の変化、会話の内容、姿勢や動作など、さまざまなサインを見逃さず、その方らしい生活を支えるためのヒントとして活かしていきます。

FAB、MMSE 数値

半年に1度、「その方に合った負担のない教材」の選定の為、脳機能の検査を行っています。
下の図はFAB(認知機能検査:対話する、考える)、MMSE(前頭葉機能検査:記憶力や判断力)の検査数値をグラフにしたものです。

事例:A さんの検査結果

学習療法を開始した頃より認知症症状の進行は見られるものの、衣類の着脱、トイレ
へ行く等の生活動作や、他のご利用者とコミュニケーションを図ったり、自分のこと
を決定したりという判断力も保たれており、実際の日常生活では開始当初と大きく変
化なく経過しています。

ご利用者からの喜びの声

「最初は不安だったけど、『できた』という喜びが自信になっています」

(90代・男性)

「職員とおしゃべりしながら、頭の体操をするのが楽しみです。脳がしゃきっとするね」(90代・女性)

学習療法を通じて、ご利用者が「できた」「わかった」という喜びを感じ、自信を取り戻し、笑顔が増えていく姿は、私たち職員にとって何よりの励みです。

その人がその人らしく過ごせるように、そして日々の生活に小さな達成感や楽しみが生まれるように、私たちはこれからも知識や経験を積み重ね、より質の高い支援を目指してまいります。