「すこやかマスターズ」を利用して、いきいき健康づくり
地域包括支援センターでは、介護認定を受けていないご高齢の方でも
介護予防に関するご相談を承っております
ご利用者
T様 84歳 女性 (現在、一人暮らし)
1.相談
ご本人より、地域包括支援センターかわみなみに次のようなご相談がありました
「数年前に夫が亡くなり、一人暮らしをしています。近所にデイサービスに通っている友だちがいて、自分も出かけてみようかと思うけれど、どうしたらよいか迷っています」
というご相談でした。

2.訪問し、面談を行いました
ご自宅に訪問しT様と面談を行いました
T様の様子は、お一人暮らしですが身の回りのことはご自分で行い、車を運転して買い物などにお出かけしているようです。
暖かくなれば畑仕事をすることもあり、家庭菜園程度の野菜を育てていらっしゃいます。ただ、膝痛や腰痛があり立ち座り動作や長く歩くことに支障がありました。
このように、まだまだご自身で出来ることは多く、筋力をつけることで膝や腰の痛みの緩和が期待でき、立ち座りの動作も今よりスムーズになると考えています。また、体力がつくことで、より長い距離を歩けるようになることも期待できます。そのため、介護予防の一環として、積極的に身体を動かす機会を持つことが大切だと感じました。

3.酒田市の「すこやかマスターズ事業」を提案
面談でのヒアリングを受け、酒田市の介護予防事業である「すこやかマスターズ事業」の利用をお勧めしました。
※すこやかマスターズとは
65歳以上の方で、生活機能の低下を予防するためにデイサービス等を利用して週1回2時間のプログラムを提供し、要介護状態なることを防いでいく酒田市の事業です。
酒田市では、「すこやかマスターズ事業」を実施し、運動や参加者同士の交流を通じて、いつまでも元気に生活し、要介護状態を予防出来るよう支援しています。
「すこやかマスターズ事業」の対象者要件
※既に要支援・要介護認定を受けている場合は、ご利用出来ません。
すこやかマスターズは専用のプログラムがあるため、介護保険事業のデイサービスで提供されるプログラムとは異なる内容で実施します。
すこやかマスターズ事業では、週1回のプログラムを12回 (3ケ月)継続して利用出来ます。1年で最大24回 (6ケ月) まで利用可能で、1回の料金は330円から650円です。(利用料金は事業所ごとに設定されております)

4.「すこやかマスターズ事業」へ参加
T様が提案を受け入れてくださり、「すこやかマスターズ事業」に参加されることになりました。
このプログラムは週1回・全12回のコースです。初回と最終回には運動機能の測定を行います。測定項目には、握力、片足立ち、5メートル最大歩行時間、TUG (椅子に腰かけた状態から立ち上がり、3メートル先を折り返して歩き、再び椅子に座るまでの時間) などが含まれます。
6回目の頃に参加された感想を伺いました
T様に6回目の頃に参加の感想を伺ったところ、「顔見知りの友達が出来ておしゃべりが楽しく、すこやかマスターズに参加するのが待ち遠しい」とお話しくださいました。
12回の参加後に行った運動機能の測定結果
1回目 (開始時) | 12回目 (終了時) | |
---|---|---|
握力 | 23㎏ | 24㎏ |
片足立ち | 14秒 | 16秒 |
TUG | 9.8秒 | 9.3秒 |
5m最大歩行 | 4.4秒 | 4.4秒 |

5.参加後の振り返りと感想
運動機能の数値結果としては、プログラム参加前と比べて大きな変化は見られませんでしたが、T様からは「立ち座りが楽になった」「痛みが軽減した」「新しい友達や仲間が増えた」「会話が楽しくなった」のような身体面だけではなく、気持ちの面でも前向きな変化を感じたという感想を伺うことができ、私たちも大変嬉しく思いました。
1ケ月後くらいに、様子を伺いに訪問しました
「すこやかマスターズ事業」終了から1ケ月ほど経った頃、様子を伺いに訪問しました。すると、すこやかマスターズの参加者同士で友達になり、プログラム終了後も連絡を取り合い、一緒に遊びに出かけているとのことでした。また、畑仕事では立ったりしゃがんだりする動作が以前より少し楽に出来るようになり、「すこやかマスターズ事業に参加してとても良かった」と参加終了直後に続いて、前向きな嬉しいお話を伺うことが出来ました。

介護予防の普及・啓発に
取り組んでいます
地域包括支援センターでは、現在介護認定を受けていないご高齢者が、要支援や軽度の介護認定を受けることのないよう、介護予防の普及・啓発に取り組んでいます。
「すこやかマスターズ事業」への参加や介護予防に関するお問い合わせ・ご相談は、地域包括支援センターかわみなみまでお願い致します。