こもれびの郷における自前調理の取り組みについて~五感で感じて楽しむ食事~
こもれびの郷(認知症対応型通所介護事業所)では、令和5年4月よりご利用者の昼食に旬の食材や認知症予防に効果的と言われている食材を取り入れ、栄養バランスが良く、五感を感じて楽しんでいただけるように、管理栄養士が仕入れから調理までを行う自前調理へ変更になりました。
【認知症予防に良いといわれている5つの食材】
- 青魚(イワシ・サンマ・サバ・しらすなど)
- 大豆 ( 豆腐・味噌・納豆・おから・きな粉・豆乳など )
- 野菜・果物
- オリーブオイル
- コーヒー・緑茶
それでは、献立の一部をご紹介します
5つの食材を組み合わせた昼食
わかめごはん
鯖の味噌煮 付) 絹揚げ
ほうれん草のごま和え
バナナ
素麺花麩のすまし汁
御飯 鮭のふりかけ
鶏肉と白菜のにんにく炒め
青菜としらす干しの辛子和え
洋梨缶
具たくさんの味噌汁
しらすとゆかりの混ぜご飯
ますの塩焼き
付) いんげんと人参のピーナッツ和え
青菜とお魚豆腐の煮物
みかん缶
豆腐とわかめの味噌汁
豆乳を使った手作りおやつ
豆乳ゼリーいちごソースかけ
豆乳黒ごまゼリー
豆乳ときな粉のゼリー
こもれび畑で収穫した野菜を使って
今年度こもれび畑では、じゃがいも、さつまいも、大根を収穫しました。出来栄えも良くみんなで収穫を喜びました。
じゃがいもは、夏祭りで提供した「じゃがバター」や「いももち」「じゃがいものみたらしあんかけ」、さつまいもは、ご利用者から希望があった「さつまいも御飯」「さつまいもの煮物」「さつま汁」「さつまいもと小豆のマーブル巻き」、大根は「大根の味噌汁」にして提供しました。
食卓では栽培の様子や食べ方など食の話題に花を咲かせながら、「おいしい」「ほくほくして甘い」「みずみずしい」「鮮度いいの~」との声があちらこちらから聞こえ、楽しい食事の時間となりました。
いももち
さつまいも御飯
さつまいもの煮物
五感「味覚」「触覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」で楽しむ食事
事業所内で調理することで、音や香りが身近に感じていただけるようになりました。焼き魚や煮物の香りに満たされると、「今日の昼は何だ?」「お腹すいてきた」「楽しみだ」と声をかけてくださいます。出来立ての食事を提供するのでおいしさもひとしおです。強化磁器の食器からは手で持った時のあたたかみ、盛りつけからは彩りなど目からも楽しんでいただけるように努めています。
感想
~ ご利用者 ~
- 何を食べてもおいしい。最高だ。今日は来てよかった。
- 魚料理が多くなってうれしい。
- 漂う香りから「お腹がすいてきた」との声が聞かれるようになった。
~ ご家族 ~
- 毎年夏になると食欲が落ちて夏バテしていたが、今年は食がすすみ御飯をおいしく食べることができて、夏バテせずに過ごせた。
- 配布している献立を見て、旬なものを使って料理を出していることに感心しました。
~ 職員 ~
- 朝からいい香りが漂い、作り立てを提供できるため、ご利用者も喜ばれている。
- これまで主食を残していたご利用者が、おかずが美味しいのか食がすすみ主食も一緒に食べるようになった。
- 自主的にお話しされないご利用者が、職員を呼び止めて食事のおいしさを伝えてくれた。
- 食べる量が増え、食べ残しが少なくなった。
- 配膳すると、食べる前から見た目で「おいしそう」との声が聞こえてくる。
終わりに
旬の食材や認知症予防に効果的と言われている食材を取り入れ、栄養バランスの良い五感で感じて食事を楽しんで食べることは、脳への刺激につながります。これからも毎日の食事を楽しんでいただけるような食事を提供していきたいと思います。さらに食を通してコミュニケーションを図り、事業所を利用することでご利用者一人ひとりが自分らしさを再発見できるよう「笑顔」「安心」「楽しみ」を提供していくとともに、馴染みの地域で暮らせるように支援していきます。